2014年 07月 26日
地金の効用と刃角度調整 |
今、なんとなく最初に手に入れた鉋“天國弘”を少し鈍角に研ぎ直しています。
刃物を研ぐ人なら判ると思いますが、きちんと平面に研がれている物を研ぎ直すのは然程難しい事ではありません。一緒に出品者の人が付けてくれた廣貞寸六もありますが二丁の刃角度はまちまちで、これでは前所有者の方が付けた刃をただなぞっているに過ぎません。
自分の任意の角度で自分で刃を付けてみようと思った訳です。
三代目(国行を二代目とした場合)國弘寸八
研ぎ直し前(刃角度約23度)
廣貞の方が大体33度位で、どんなに穂丈が短くなっても長くなっても同じ角度なら同じ当て方になるはずですから、それをイメージして研ぎ下ろして行きます。
結果的に暫くの間刃鋼だけを研ぐ形になる訳ですが、地金も研ぐのと刃金だけ研ぐのとでは砥石の反応が全く違います。
参考に上半分が刃先(刃金のみ)と下半分が地金を含む写真を撮ってみました。
この画像からでも違いが判ります。
鉋を手に入れ切り出しを手に入れ、元々は全鋼の電工ナイフばかりを研いでいたのが何時の間にか研ぎ易い地金を持つ刃物を研ぐ事に慣れてしまっています。
まだ刃角度を測った訳ではありませんからその差がどれくらいの差なのかはちょっと解りませんが、少し寝かせただけでいきなり反応が良くなるのでそうは大きな差では無いと思いますが、地金も当たると砥石当たりで直ぐにそれと解ります。
ピンぼけですが、刃先の白いラインに見えるのが新しい切れ刃です。
慣れて来た刃物でも、時々原点に還るのは良い物です。
研ぎ進めて行くと刃幅が広くなって行き、地金の当たらない部分は変色して行きますから良く判ります。
研ぎ易さを求めて切れ刃幅を広くしていた頃を思い出しました。
荒砥としては刃の黒幕#320がありますが平面精度がイマイチで、ここでぐずぐずの面を付けてしまうと後からもう一度面を付け直すのに結構な手間を食うのでこの研ぎ直しは1000番中砥で長いこと研ぎ続ける事になります。
ベスター1000で鎬を研ぐ⇒面直し⇒刃返り除去を何度も何度も繰り返す事になりますが、思ったよりも作業は早く進みました。これはこの國弘の素材から来る恩恵だと思います。
この後も毎日少しずつ進めて行って、完了した時に角度を測るのが楽しみです。
by sixpence2046
| 2014-07-26 06:23
| 刃物